介護が終わった後あなたはどうしますか?
介護が終わったと感じるタイミングは人それぞれです。施設に入居したら一旦ここで終わったと思う方、要介護者の方が亡くなった時に終わったと感じられる方それぞれの思いがあります。その時の思いがどんな思いなのかご紹介します。
目次
介護が終わったと感じる思いは人それぞれ
先の見えない介護に心身共に疲れ果て、それでも介護し続けます。
そんな介護もいつか終わりが来ます、その終わりと感じるタイミングは人それぞれですが大きく2通りあります。
1要介護者が施設に入所した時
2要介護者が亡くなった時
介護の終わりを感じるタイミングはこの2つと言えるでしょう。
私のカウンセリングを卒業されていかれた方々の思いと、私が感じた思いをお伝えします。
要介護者が施設に入所した時
ある日、事故なのか病気なのか高齢なのか、そこは人それぞれですが、突然始まった介護。
先の見えない介護に不安や怯え、心身共に疲れ果ててメンタル不調を起こし介護うつになる方もみえます。
散々、もう無理と思いながらも介護をする毎日になり好きなことも諦め、仕事も介護離職となり一人で介護と言う大仕事をやっている毎日、いつ終わるのだろうと思っても答えなんてでない。
私一人が頑張ればいいんだと身体と心のSOSを抑えこんで介護する毎日。
介護保険を使い介護サービスを使っても時間がくれば家に帰ってくる。デイサービスが終わり、帰ってくる時間になるころには心がざわつき、感情を押し殺し介護をしているのが普通になってしまう。介護者は明るかった人が人付き合いもやめ家に籠るようになるころケアマネジャーが施設に入所あるいはショートステイを勧めてくれるようになのですが、自分からは施設入居を言い出せない、何故なんでしょうね。
それは、介護を放棄してしまうと言う罪悪感が出てくるからです。
そのころには心も体もSOSを出していたのに、無理やり抑えこんでいるから限界を超えて体調を崩し、起き上がれなくなり病院に通院することになります。そこでやっと家族が気がつきことの重大に驚き施設入所を考えてくれるのです。
介護者は施設に要介護者である家族を入所させることを家族に説得され、ケアマネジャーに説得され、もう介護しなくてもいい、介護を放棄したんじゃないと思えるようになり要介護者である家族を施設に入所させることが出来るようになります。
それでも、毎日のように施設に様子を見に行き「これで良かったの?」と自問自答の日々を送ります。
それでも「これでいいの?」「いいんだよね!」と毎日過ぎていき、その生活に慣れていきます。
介護から解放された、介護が終わったと感じられる期間は人それぞれです、クラアイント様も自問自答の中でカウンセリングを受け「これで良かった」と感じられる方や施設選びを間違えていたと感じられ施設を変わり、やっと落ち着かれる方もいらっしゃいます。
皆さん、これで良かったんですよね?と聞かれます。
あなたが頑張って頑張って出された結果です、良かったと思いますか?とお聞きします。
あれが限界でした、良かったと思いますとほっとした答えをお聴きします。
そしてご自身のやりたいこと、やりたかった仕事などに心が向いていきます、新しい人生のスタートをされるのです。
要介護者が亡くなった時
要介護者の家族の方が亡くなって、介護が終わります。
亡くなられたご家族のことを思うと、もっとしっかり介護すればよかった、本人が望むように在宅で介護すればよかったと。
寂しさと、喪失感を味わう方もいらっしゃいます。
今までの介護の時間がぽっかり空いてしまうのです。介護だけをしていたためどうしていいのか分からなくなってしまう方もいらっしゃいます。
喪失感から動けなくなり大切な人を亡くした悲しみは心、身体、行動・認知にさまざまな症状・反応をもたらします。
【心の症状】
罪責感、思慕の情、自責の念、悲しみ、寂しさ、自尊心の欠如、絶望感、非現実感、憂鬱、不安、怒り、敵意、幻覚など
*身体の症状
睡眠障害、食欲喪失、呼吸障害、疲労感、気力喪失、頭痛・嘔吐・消化不良・動悸などの身体的愁訴、故人と同じ症状の出現、アルコールや薬の依存など
*行動・認知に現れる反応
号泣、注意力の低下、行動パターンの喪失、故人の行動の模倣などの症状が出ます。
亡くなってしまったと言う喪失感はなかなか心の隙間を埋めることは出来ません。
介護でお悩みの方がお父様を亡くされ、そのままカウンセリングに来ていただくこともあります。
まとめ
何人ものクライアントさんがカウンセリングにいらっしゃり、要介護のご家族を施設に入居させ罪悪感に心が囚われていても、カウンセリングが進むにあたりご自身の生きる道を見つけられ卒業させていかれるのは私にとってとても嬉しいことです。
そしてご家族を亡くされ、喪失感で動けなくなった方へはグリーフケアをさせていただいています。
グリーフケアとは大切な人を亡くし、悲しんでいる人に寄り添い手助けをするケアです。
詳しくは下記のグリーフケアについての記事をご覧ください
そして、故人の思い出に寄り添い大切な人を思い、悲しみに浸ることは、新たな生きる力を得るために必要な作業です。まず、今の自分の気持ちを受け入れられるように、複雑な気持ちをそのままお話いていただいています。
その感情を十分に感じ、一生懸命に介護したことを思いだしていただき思い出は思い出としていつまでも介護者の方と一緒にいると言うことをお伝えします。
思い出として少しでも思える時が来ると、クライアントさんは卒業されて行かれます。
時々思い出を語りたくなられるとご連絡をくださいます、その時は一緒に思いでの仲間に入れていただいています。
一人では乗り越えられなくても誰かと思い出を共感することで、一歩一歩ご自身の人生を歩まれて言います。
あなたの人生はあなたのものです、ご自身の足でご自身の人生を歩んでください。
こうして、介護が終わる事をお聴きしていきます。