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認知症の人に言ってはいけないこと

認知症の人に対して、つい言ってしまいがちな言葉があります。しかしこうした言葉は認知症の人を不安にさせ、自尊心を傷つけ、BPSD(行動・心理症状)を増大させることにもつながります。具体的にどのような言葉を言ってはいけないのか、どのような言葉をかけるべきなのでしょうか

目次

認知症の人に言ってはいけない「NGワード」

認知症の方とコミュニケ―ションを取る時、頭では「適切な関わりを…」と思っていても、つい自分の悪い癖がコミュニケーションの中で出てしまうこともあります。
言葉がけ一つで認知症の方を安心させたり、逆に不安にさせたりします。それほど、認知症ケアにおいての言葉がけというのは大切なことです。
そこで以下では、認知症の方に言ってはいけない言葉を紹介し、なぜいけないのかをお伝えします。

物忘れの指摘

「どこに置いたか覚えてないの?」「さっき言ったよね?」 これらの言葉は、認知症の方に物忘れを指摘する言葉です。 認知症の方は、自分が忘れてしまったことに気づかないことが多く、周囲の人から指摘されると混乱や不安を感じるとされています。

強要すること

「早くして!」
「これをしてよ!」
「絶対にやってはやらないでね!」

これらの言葉は、認知症の方に強要や命令する言葉です。

認知症の方は、自分で判断や選択ができなくなっており、周囲の人から強制されることに抵抗感や恐怖感を抱くとされています。
また、理由や目的が分からないまま行動させられることで、ストレスや不満が溜まります。


責める言葉

「どうしてそんなこともできなくなったの?」
「前はできていたじゃない」
「また失敗したの?」
これらの言葉は、認知症の方を責めたり、否定する言葉です。

認知症の方は、自分の能力や価値が低下していることに苦しんでおり、周囲の人から非難や批判を受けると、落ち込んだり、怒ったりすることがあるとされています。
また、過去の自分と比較されることで、現実とのギャップに苦悩することも多いようです。

否定的な言葉

認知症の方に言ってはいけない言葉、それは、本人の思いや行動を否定する言葉。「ダメ」「それは違う」「やめて」など、否定される言葉をかけられるたび、本人は傷つき、動揺し、孤独と混乱を深めていきます。その結果、身近な人に怒りをぶつけたり、つらい環境から逃げだそうとしたりすることで、暴言や徘徊などのBPSD(認知症の周辺症状)が悪化していくことも多いのです。

激励し過ぎる言葉

認知症の方の行動が遅い場合も、ペースを乱す言葉をかけるのはよしましょう。例えば、食事を食べるのが遅い人に対して「もっと早く食べてよ」と言ったり、トイレに時間がかかる人に対して「早くして」と言ったりすることが該当します。

子ども扱いする・大声で注意する

大人なのに子ども扱いされたり、大声で注意されたりしたら、誰でも侮辱されたように感じ、自尊心が傷つきます。それは認知症の人でも同じことです。家族としては本人が子どもに戻ったようにできないことが多いためについ子ども扱いしてしまったり、以前のように戻ってほしいという思いから注意してしまったりしがちです。しかし、前述したように認知症の人は病識がないことが多いので、自分がなぜ大声で注意されなければならないのか納得できず、ましてや子ども扱いなどプライドを大きく傷つけてしまうだけなのです。

本人の感情と逆の態度をとる

意外とやりがちなのが、怒ったり焦ったりして興奮している本人に対して、落ち着かせるために笑顔でたしなめようとすることです。怒っているのに笑顔で対応されると、自分の感情とは真逆の表情なので、侮辱されているように感じるものです。相手の表情や声のトーンに合わせて共感を示すことが大事です。

認知症の人に伝えた方が良い言葉

認知症の方への接し方には、特定の言葉や態度に気をつけることが重要です。認知症当事者を尊重し、心に寄り添うことで、より良いコミュニケーションを築くことができます。

感謝の言葉

感謝の言葉は、誰でも言われて嬉しいものです。認知症の方も感謝の言葉を伝えられると、「自分が役に立てた」という気持ちで嬉しくなります。感謝の言葉は積極的に使っていきましょう。また、適切な言葉かけは認知症の方の自信ややる気にも繋がります。

肯定の言葉

相手の意見や意向を肯定する言葉掛けも理想的です。相手が状況を伝えてくれた場合は、まず「そうだったのですね」と肯定してあげましょう。認知症の症状により、事実と違うことを言ってしまう場合もあります。そんな時にも、否定するのではなく、まずは肯定してあげられる言葉がけができることが大切です。

共感の言葉

辛さや悲しみを訴えている時は共感するような相槌の言葉を選びましょう。共感されることで苦しみや悲しみが癒えることもあります。
認知症の方が悲しいことを思い出していたり、嫌な気持ちになっていたりする時は、寄り添いながら共感する言葉で相手の心を癒すような関わりを心掛けましょう。

認知症の方との接する時のポイント

認知症の方と接する際には、適切なコミュニケーションと理解を大切にすることが重要です。
認知症の方のペースに合わせて接することも安心感を感じてもらえます。
この人は優しいと思ってもらうこともコミュニケーションをスムースにとるためにも必要です。
家庭内ではあまり感じないのですデイサービスなどに行くと赤ちゃん扱いをされる場合もあります、これは要介護者のプライドを傷つけることにもなります。
人は高齢者になり認知症が進んで行く過程で人として尊重されているか、大切にしてもらっているかに敏感になります。
優しく、普通に、接することが穏やかな日々をごす方法の1つかもしれません

穏やかな態度を保つ

認知症の方は感情が不安定になりやすいため、優しさと耐性を持って接してください。
怒らないようにし、冷静で理解のある態度を心がけましょう。

簡潔で明確な言葉を使う

複雑な言葉や長文は避け、シンプルで分かりやすい言葉を選んで伝えましょう。
「お手伝いしましょうか?」、「おなかが空いたら教えてくださいね」など、具体的な提案をすることで相手が理解しやすくなります。

相手の世界観を尊重する

認知症の方は自分の世界観を持っていることが多いです。その世界観を尊重し、否定的な言葉を避けましょう。
「そういうことがあるのですね」、「どのような人ですか?」など、相手の話に共感を示すことが大切です。

手助けを提供する

物忘れや混乱がある場合、手助けをしてあげましょう。
「こちらに座って話しませんか?」、「お手伝いしましょうか?」など、具体的な提案をすることで相手が安心します。

笑顔で接する

笑顔は相手をリラックスさせ、信頼感を築るのに役立ちます。
穏やかな表情で接して、相手に安心感を与えましょう。

まとめ

認知症の方を支えるために、適切な言葉と思いやりのある態度を持ち、共に過ごす時間を大切にしてください 。

介護をしていると分かっているけど・・・でもイライラするんですとよくお聞きします。
介護は大変です、イライラしてはいけないと思ったり、疲れているけど手抜きをしてはいけないと思います。

介護者は人間なのです、疲れもします、イラつくこともあります、体調が悪くなることもあります。

完璧にやらなければと思わなくていいのです、出来る範囲でいいのです。
そして出来ない部分は介護サービスを利用して、身体を心を休めてください。

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