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認知症患者の家族の大変さと認知症の受け止め方

目次

認知症患者の家族は何がどう大変なのでしょうか

一般高齢者にはない認知症の人の介護で大変なことは、行動・心理症状と言われる困った行動への対応です
心理症状には、徘徊、易怒、攻撃、暴力、収集、異食行為、ろう便(便をいじる行為)、ろう火(火遊び)などの異常な行動や
幻覚・妄想、不安、抑うつ、不眠、多幸、興奮などの精神症状があります
これらは、アルツハイマー型認知症の約80%以上に出現すると言われていますが、他の認知症にもみられ、重症度にかかわらず出現します

認知症の人は、記憶力をはじめ理解力や判断力などの能力が障害されますので
自身の行動の良し悪しを判断することができず、思うままに行動してしまいます
それゆえに、家族はその行動を注意し、やめさせようとするのですが、認知症の人は、反発し、怒ります
その対応に家族は「認知症の世話は大変」と感じるのです。

では、何がどう大変なのでしょうか 日常生活ができなくなるのです

日常生活動作が出来なくなります
食事、トイレで排泄、入浴、着替え、整容などの日常の基本的動作を言います。更に日常の複雑な行為を手段的日常生活動作と言い
買い物、料理、金銭管理、交通機関を利用した遠出などの行為を指します

認知症では、この手段的日常生活動作や日常の基本的動作に障害がみられ、日常の生活が一人では営めず介護が必要になります
初期には、手段的日常生活動作に支障をきたし、毎日の買い物や銀行でのお金の出し入れなど、今までできていた生活活動に混乱が生じ
支援が必要になります
更に認知症が進行すると日常生活動作に支障をきたし、身の回りのことができなくなります

特に、日常生活動作の介護は、毎日欠かせないので、介護者のほとんどが大変です
その代表的なものが排せつの介助ですが、大小便の失禁を伴うとさらに大きな負担になります
また入浴、着替え、食事といった介助も、毎日しなければいけないことですので、認知症の介護は大変な要因です

認知症の家族との関係性が介護者のメンタル不調を起こすこともあります

自宅で家族が認知症の人を介護する場合は、認知症の人とその家族との関係性が介護負担感に影響します
例えば、配偶者や子、あるいは子の配偶者などの関係の違いや、同性か異性かによっても大変さの感じ方が異なります

家族の健康状態にも影響します、慢性的な病気や身体に障害がある家族は、介護の大変さを強く感じます
また同じ人が毎日の介護に携わりますので、体調を崩すこともあり、また生活上の問題を抱えることもありますが
そのような時にも普段より「介護は大変」と実感します

認知症の介護はお金がかかります。認知症の人が貯えている額で家族の経済的負担は異なりますが、家族にとっては避けられない負担です
介護保険サービスやその他サービスを利用することによる負担、更に施設入所の場合は、毎月莫大な費用が必要です
このように経済的な負担も認知症の介護が大変な要因の一つです

家族の中にも、介護の上手な人や好きな人、あるいは下手な人や嫌いな人がいます
当然ですが、後者の介護者は、その負担感を強く感じ、「介護が大変」と思う度合いが大きいでしょう
介護には愛情が必要とよく言われますが、愛情の深さと介護の上手・下手は全く関係ありません

介護費用については別の機会にお伝えします

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