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子供がいない夫婦の老後の不安を解消する対策方法

老いていくにつれて「もし自分が亡くなったり痴呆症になったらどうなるのだろう」と不安を感じる方は少なくありません。老後2,000万円問題も近年では話題になりましたが、支えてくれる子供がいない夫婦にとって、金銭面に健康面に衣食住など老後の不安は尽きません。子供がいらっしゃらない夫婦が漠然と抱えている老後の不安の中でも、特に重要なことをお伝えしていきます。

目次

子供がいない夫婦が老後に心配なこと

子あり夫婦に比べ経済的負担も少なく、趣味を優先させたり2人の生活を満喫しやすい子なし夫婦。心配なのは、老後のことです。子なし夫婦の抱える老後に心配なことと、そのために準備しておけることをお伝えします。

パートナーに先立たれた老後の寂しさ

子どもがいない夫婦にとって、身近な家族はパートナーひとりです。
兄弟姉妹がいらっしゃる方も、その方々に家族がいる場合は同居をしていないことがほとんどでしょう。そうなると、パートナーが先に亡くなってしまった場合、残されたパートナーは突然孤独な生活になります。

心理学的にも配偶者の死がストレスの第1位になっており、これはずっと変わっていません。長い人生を共に歩いてきた伴侶が突然いなくなるのです。高齢者の場合、残された方がメンタル的に不調を起こし、そのうちに認知症になって行く場合もあります。

介護の事について

長生きできるほど起こりやすい老後の問題が介護です。子どもに必ず頼れるというわけではありませんが、少し助けてもらえることもあります。ですが、子供がいない夫婦の場合は老後の面倒を誰かに見てもらうことが難しい場合があります。

老老介護に備え、介護ヘルパーを利用する場合はどれくらいの介護を頼むことができるのか、また費用としてどれくらい必要かを調べておくといいでしょう。それよりも、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などがいいかなど、夫婦の希望も含めて話し合い、比較検討しておきましょう。

老後の生活資金

生命保険文化センターが実施した意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送るために必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.1万円です。

また、旅行やレジャー、趣味や教養、日常生活費の充実など、ゆとりのある老後生活に必要だと考えられるのは最低日常生活費に14万円上乗せした月額平均36.1万円が必要となります。

何歳から老後生活となるのかを考え、貯められるうちに生活資金を貯金していきましょう。

夫婦がお互いに書き合う遺言書(夫⇔妻)

子どもがいない夫婦の夫か妻、どちらかが亡くなった場合、相続人は配偶者のほかに両親や兄弟姉妹になります。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子どもである甥や姪が相続人となる場合もあります。

残されたパートナーが遺産相続のトラブルに巻き込まれないようにするために、遺言書を作成しておきましょう。

相続は残されたパートナーが生活していくうえで大変重要な内容になりますので、詳しくお伝えしていきます。

民法では法定相続人の順位が決められています

夫(妻)が亡くなった場合全ての財産を残されたパートナーが相続出来ないのです。

民法で定める法定相続人には、配偶者相続人と血族相続人があります。
配偶者相続人というのは文字通り自分の夫や妻になります。

血族相続人は、配偶者以外の法定相続人で、次のように相続の順位が決められています。

*第一順位:直系卑属(子・孫)
*第二順位:直系尊属(父母・祖父母)
*第三順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹)
子どものいない夫婦の場合、第一順位となる直系卑属(子・孫)は存在しないことになります。

さらに、父母や祖父母などの直系尊属がすべて他界してしまっている場合には、第三順位の兄弟姉妹たちに相続財産を受け取る権利が発生します。

この場合の法定相続の割合は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4ということになります。

たとえば、夫が1000万円の財産を残して亡くなった場合、妻が750万円、夫の兄弟姉妹が250万円を相続することになります。

もし、父母や祖父母などの直系尊属だけではなく、兄弟姉妹もすべて他界してしまっているときには、その子どもである甥や姪が法定相続人ということになります。

その場合は、兄弟姉妹が相続するはずった250万円を甥や姪が代襲相続をすることになるのです。

自分たち夫婦には子どもがいないのに、なぜ甥や姪に財産を1/4も譲らなければならないとかと納得のいかない人もいるかも知れませんが、民法上はそういうことになっているのです。

親が健在だと遺言状を残しても配偶者に全財産を残せない

「配偶者に全財産を相続する」と遺言状に記載をしておけば、子どものいない夫婦の財産が兄弟姉妹や甥姪などに相続されることはありません。

民法で定められた法定相続分よりも、遺言状に記載された内容の方が優先されるからです。
しかし、遺言状を残したとしても、すべての財産を配偶者に残すことができない場合もあります。

それは、親がまだ健在のときです。

子どものいない夫婦の親が生きている間は、たとえ遺言状に「配偶者に全財産を相続する」と残したとしても、親に遺留分というものが発生するからです。

遺留分というのは、相続人が受け取ることのできる最低限の財産のことで、たとえ遺言状を残したとしても遺留分を侵害することはできないのです。

遺留分は配偶者と子どもと親に対して認められ、兄弟姉妹には認められません。

そのため、親がすでに亡くなってしまっている場合には、「配偶者に全財産を相続する」と遺言状に書いておけば兄弟姉妹や甥姪に財産がわたってしまうことはないわけです。

しかし、親が健在であれば遺留分として財産の1/6を親は請求する権利があるのです。

最悪の場合は、この遺留分の支払いのために、夫婦で住んでいた家を手放さなければならなくなりますので、生前のうちに配偶者に全財産を残したいということを、親と話し合っておく必要があるでしょう。

今後のつきあいを考えてお互いが納得できる形を選択すべきです

「配偶者に全財産を相続する」と遺言状に残しておけば、兄弟姉妹や甥姪たちに配偶者が残した財産がわたってしまうことはありません。

しかし、いくら遺言状に書かれた内容が優先されるとはいっても、兄弟姉妹のなかには納得のいかない人もいることでしょう。

故人と血のつながっている兄弟姉妹たちに財産がまったく残らずに、もともとは赤の他人であった配偶者だけが全額を受け取ることに対して不満を感じてしまう可能性があります。

今後もお互いに親族としてのお付き合いを続けていきたいのであれば、たとえ遺言状に「配偶者に全財産を相続する」と残してあったとしても、多少の財産はゆずってあげるという選択肢も考慮すべきでしょう。

先にあげた事例の場合ですと、夫婦で住んでいた家の資産価値が5000万円で、金融財産が1000万円であった場合、法定相続分として兄弟姉妹に1500万円を渡す必要があります。

しかし、それだと家を処分しなければならなくなってしまいますので、兄弟姉妹にはあくまでも気持ちとして500万円程度をわたして、お互いの関係を壊さないようにするわけです。

そうすることによって、配偶者には持ち家と金融財産500万円が残ります。

また、兄弟姉妹にしても、遺言状に「配偶者に全財産を相続する」と書いてあったにもかかわらずに、500万円を渡してくれたことで強い不満は残らない可能性があります。

いずれにしましても、子どものいない夫婦の場合は、自分たちの終活として相続する対策をしっかりとしておくことが大切なのです。

老後に備え、子どもがいない夫婦生活を楽しもう

老後に仕事を辞めると、急に時間が増え暇を持て余してしまうことがあります。お金がかかる旅行などは頻繁に行けるものではありません。小さな楽しみや夢中になれるもの、毎日心地よさを感じられるものを見つけていきましょう。

好きなものに囲まれて暮らすのも、楽しみのひとつです。、老後に夫婦で好きなものばかりの空間で暮らすのもいいですね。

*時間のゆとりがある
ふたりだけで過ごす老後は時間に追われることもなく、ゆとりのある日々になります。お互い仕事をしていたなら、めまぐるしい日々から解放されてのんびりとした毎日を過ごせるでしょう。

子なし夫婦だと、子どもや孫といった誰かの世話をする必要がなく自由を謳歌できるため、精神的なゆとりも生まれます。そのため、心ゆくまで読書をしたり手の込んだ料理を楽しんだりと悠々自適な生活ができるのです。

*経済的ゆとりがある
子どものいない夫婦だと多額の教育費を必要としないので、経済的なゆとりのある家庭が多いです。そのため、子どものいる家庭よりも生活水準を上げて老後を過ごせるでしょう。

たとえば、パートナーの誕生日や何かの記念日のときに、こだわりのお店やお互いへのプレゼントなど奮発できます。子どもがいない分、ちょっとした贅沢がしやすいのです。

*新しいことに挑戦しやすい
経済的にも時間的にもゆとりのある子なし夫婦は、新しいことに挑戦しやすい環境がそろっています。初期投資の必要な趣味でも挑戦するハードルは低いと言えるでしょう。

たとえば、趣味を最大限に楽しみたい場合、挑戦するまえに環境を整えるところから始めなくてはいけません。しかし、ゆとりのある子なし夫婦なら、お金のかかる趣味や多くの時間を費やす娯楽でも挑戦しやすいのです。

子供がいない夫婦の死後事務手続きは誰に頼めばいいのでしょうか

子どものいない夫婦が独りになった時相続だけでなく、面倒な死後の事務手続きを誰に依頼するのかも生前に決めておくことが大切です。その際には、どのような手続きを、どのように行ってほしいのか、希望を伝えておく必要もあります。

とはいえ、これは簡単に決められることではありません。日頃、かなり親しくしていない限り、親戚や友人に依頼するのは憚(はばか)られます。もし、近くに頼れる人がいないのならば、第三者に委託するという方法もあります。
生前にきちんと死後事務委任契約を結んでおくのが賢明でしょう。この契約は、委任者が亡くなった後のさまざまな手続き(死後事務)を特定の第三者(個人もしくは法人)に代行してもらうという取り決めです。

死後事務委任は、遺言と異なり、死後のさまざまなことを取り決めることができます(ただし財産以外のことに限る)。葬儀はどこで行いたい、埋葬はどうする、自分のペットはこの人に引き取ってほしいなど、事前に決めておくことができます。そして自分の死後、受任者が速やかに死後事務を開始します。個人間で委任する場合は、しっかりと希望を書き留めた上で伝えておきましょう。

一部の金融機関では、死後に発生する事務手続きをトータルでサポートするサービスを提供しているところもあります。
死後事務を包括的に代行する一般社団法人を紹介してもらえます。

頼る相手がいない、友人・知人に迷惑をかけたくないと思っていらっしゃるなら、自分の死後手続きのことを生前からしっかり考える必要があります。「死後事務委任契約」を結ぶ、という選択肢もあることを知り、早いうちに手を打っておけば、もしものことを考えてやみくもに不安を抱くこともないでしょう。

その時にエンディングノートを手渡しておくのも一つの方法です。

まとめ

子供がいない夫婦には老後の心配がありますが、子どもがいても同じように老後には不安を抱えるものです。夫婦で老後について話し合い、納得のいく選択肢を選びましょう。

老後資金や介護、老後の楽しみなどの不安に対してもあらかじめ対策をしておけば、悩みは解消されるはずです。
二人で納得した生き方を選択することで、きっと幸せなシニアライフを満喫できるでしょう。


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