相続が争続にならないために準備すること
一般家庭が大きくお金が動くときって退職金や親やパートナーが亡くなった時の遺産がほとんどです。宝くじでも当たればいいのですが、そんなことは滅多におきません。相続が争うもとにならないように準備することをお勧めします。
目次
- ○ 相続が争続となる理由
- ○ 介護をしていると遺産が多くもらえる?
- ・我が家の相続の時の私の思い①
- ・我が家の相続の時の私の思い②
- ・我が家の相続の時の私の思い③
- ○ 相続→争続ならないために まとめ
相続が争続となる理由
親はいずれ亡くなります。自然の摂理で、よほどのことが無い限り子供より親が先に亡くなることが普通です。
近年は欧米化の食事の影響なのか癌になったり、交通量も増え事故で亡くなる方も見えますが、あくまでも一般的なことをお伝えしますね。
資産家、お金持ちは揉めません。なぜなら、弁護士が遺言書をしっかり公正証書として持っているのでそうそう大きな問題は起きないのです。
それが一般家庭になるとどうでしょう。
大きなお金が動くときって退職金、生命保険の満期、親の相続となるわけです。
宝くじでも当たれば万々歳ですが、そんなことは滅多にありません。
となると、退職金か親の相続の時に大きなお金が動くときになります。
弁護士の先生にもお聞きしましたが一般家庭が相続で揉めることが多いのだそうです。
介護をしていると遺産が多くもらえる?
介護をしている介護者は、財産が多くもらえると思っている方もいらっしゃいます。
一生懸命介護している嫁には相続権がないので遺産分与には関係ないって、どういうこと?と思います。
一人暮らしの親がが認知症になり一人暮らしが続けられない場合、費用等を考えて介護施設等に預けずに長男であるご自身の家族が同居して介護をするケースや、すでに同居しているケースも珍しくありません。
例えば、お母さまのためと思ってご自身の家族が引っ越したり、奥さまが仕事を辞めて介護に専念するなど献身的にお世話をしていたとします。
そのような状況のとき「うちは奥さんが仕事も辞めて献身的にお母さんの介護をしているのだから相続の際には、他の兄弟よりも財産を多くもらえるはず…」このように考えがちです。
しかし、お母さまが亡くなられ、財産をご兄弟で分割するときに多くもらえる根拠や制度はありません。
残念ながら遺産相続に嫁は一切相続の権利がないのです。
介護に明け暮れ、亡くなってほっとした時に財産問題で預貯金を兄弟で分けているにも関わらず、
権利がないお嫁さんには一切関係がない話となってしまいます。
民法ではそんな方々のために寄与分と言う制度があります。
寄与分とは、相続人の被相続人に対する貢献(介護等)を遺産分割に反映させる制度が用意されています。
それが「寄与分」の制度です。相続人の中に、「被相続人の財産の維持または増加」について「特別の寄与」をした者がいる場合には、その相続人について「寄与分」が認められることがあります。
寄与分が認められた相続人は、寄与分が認められた分だけほかの相続人より財産を多く相続することができます。
従来の法律では「被相続人の子の配偶者」には寄与分が認められていなかったため、遺言で財産を遺贈するなどの対策で遺産を取得していました。この問題を解消するため、民法が改正され、2019年7月1日から「被相続人の相続人ではない親族」も寄与分が認められるようになりました。
「被相続人の相続人ではない親族」と範囲が広いですが、上記問題により創設された背景があるため「被相続人の子の配偶者」が被相続人に行った介護や家業の手伝いの貢献分を特別寄与として請求することがほとんどだと考えられます。
参考資料:民法(施行日:平成三十一年七月一日)第1050条
ですが、実際に「寄与分」が認められるケースは少ないため介護をする方や同居をする方が勘違いし、後々の相続の際に家族内で大きなトラブルへと発展することがあります。
親が亡くなった時は子供の人数で分割になります。介護していたかどうかは法律では関係ないのです。
ただ、介護していたことなどから財産分与の仕方を変える方法もあります。
『公正証書遺言』
この方法で財産分与の仕方を決めておく方法もありますが、これも認知症になったら不可能です。
被相続人ご本人の意思で書かなければなんの意味もないものになります。
例えば
長男に実家をゆずる
長女・次女に現金をゆずる
と遺言書を作っておけば争いはおきません。
これも家族の同意のもとで事前に作っておくことがベストだと言えます。
親の死を悲しむより相続問題で争いが起きる被相続人(個人)はそれをどう思われるかですね…。
我が家の相続の時の私の思い①
我が家の義父は2011年4月に亡くなりました。
直接の死因は不整脈による心筋梗塞でしたが、それまでに何度も出先で救急搬送され引き取りに行く役目は私でした。
そして、ある日お腹が痛いと動けなくなり救急搬送しました。結果は大腸がんでした。
癌の摘出手術までには、相当な日数がかかりました。
長年ため込んできた宿便で検査もできない、下剤、浣腸などしても出ない。
義父を検査のたびに説得するため、いつも連絡を受け病院に走り義父を説得する日々が続きました。
そしてS字結腸から大腸までの切除、その後はストマになり障碍者手帳の申請もしましたが、1年ぐらいで義父はなくなりました。
その間義母は何も役に立ちません。全て私が行いました。
葬儀も田舎の葬儀です、面倒でしたね。
そして、知らないうちに遺産分割が終わっていたのです。
まだ嫁に相続権がないことなど知らない頃でした。
夫に「どうして2人だけで相続終わらせたの?」と詰め寄ったこともあります。
だってね、義弟は何にもしなかった、それで財産だけもらったんです。
しかも義弟は義父のお気に入りで、義祖父が亡くなった後しばらくして義父から土地を生前贈与と言う形で譲りうけたりと、ここまでの相続の話は義妹から聞きました。
正直なんて理不尽なんだろうと思いました。
もう知らないこの家の人達の事なんて知らないと、どんどん気持ちがすさんでいく行く私でした。
我が家の相続の時の私の思い②
それでも、家の事はしなければならず、、、
義父が亡くなる年でした。私は夫との別居を決めアパートも決めていました。
子供達に伝え、夫にも伝えてましたが、夫は私が別居する意味が分かっていなかったようです。
相変わらず義母のいびりや、義弟が義父から生前贈与をもらったことに対して、私が怒り心頭で別居になるのだと思っていたのですから、おめでたいですね。
せっかく決めたアパートも私は入居することはありませんでした。
義父が亡くなったからです。
先述した通り、相続は知らないうちに終わっている。
夫にそれを言えば「お前には関係ない!」と一言です。
もうね、どうでもよくなりました。
お金の問題ではないのです。
何もしない人が当たりまえのように遺産分割分を要求してもらっていく。
そして、「親父のことをありがとう」の言葉もないのです。
私は単純です、感謝を伝えられればそれだけで満足します。
自分の親でもない義父、義祖父を看続けて20数年でした。
義母には関わらないことに決めていましたが、認知症になり結局私が看ています。
今でも夫はろくに義母の施設には行かない。
行ってくれても私が電話で段取りしないと行かない。
もう義母が亡くなったら決めています。
夫に言わせます。文句が無いように、今後一切相続で揉めないように、義弟の相続の事を。
田舎ですが日当たりのよい静かな住宅地を相続分として渡すこと、そして義母の現金は全て介護費用になったこと、夫の貯金を切り崩し義母の介護費用を受け持っていることを伝えてもらいます。
これで、義母が亡くなった時の相続は終わらせて義弟との縁も終わるでしょうね。
夫と義弟、この2人が今後どんな付き合いをしていくのかはわかりませんが私は関わろうとも思いません不思議と腹をくくってからは静かな気持ちです。
我が家の相続の時の私の思い③
我が家も田舎です、岐阜市とありますが田舎です。
相続が「争続」にならなかったのは夫が大人しいと言うか法的意味、現状を把握し客観的に受け入れたために、すんなり終わったのだと思います。
でもこれで義母が亡くなった時はどうなるのでしょうか、義弟もいろいろ主張してくるのかもしれません。
義母は90歳で要介護5ですが、施設の方はお元気ですと言われますが、、コロナ禍で面会禁止が続いています。
相続が争続にならないために、避けるために知っている知識をフル活用しなければなりません。
相続は夫に兄弟がいるのですから当然ですが、理不尽な相続を避けるためにも知識は必要です。
相続→争続ならないために まとめ
相続→争続にならないためには
遺言書(「公正証書遺言」)が必要ではないでしょうか。
もちろん必要のない方もいらっしゃいますが、我が家のような経験をされた方、しそうな方もいらっしゃると思います。
「公正証書遺言」のメリットとデメリットです
<メリット>
・認知症になった親の財産が把握できるため相続のときに困らない
・ご両親の意思が示されるため財産分割をめぐる家族のトラブルを回避できる
<デメリット>
・作成するのに手間と費用がかかる
・ご両親はそもそも自分が死ぬことに対して考えたがらない
ここが最大の難関です。
誰だって自分が亡くなる事なんて考えません、考えたくもありません。
そして認知症にならないと思っています。認知症で辛い思いをさせられたからといって亡くなる事を望むことはありません。
だからこそ、元気なうちに対策をして家族が相続➡争続にならないようにすることがベストだと思います。
「公正証書遺言」はトラブルにならないよう「遺言能力」が完全な時に作成する。
遺言で大切なことは
遺言の作成時にどれほど「遺言能力」があり判断ができる状態だったかということです。
裁判となった場合には遺言の作成日と判断力が低下したときと、どちらが先かという点が論点になるほどであり、しっかり父又は母がご自分の意思を反映していれば問題ありません。
元気で判断力が十分なうちに(理解力、判断力があり、有効な意思表示ができる能力)
手間とお金はかかりますが確実に執行できる
公正証書遺言を作成することがいいのではないでしょうか
資料:国税局HP参照